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第3章 寮歌の持つ力

◇その2・・・我らが青春ここにありき


 
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破れた帽子をかぶり絣の着物を着て、4センチ幅の白い鼻緒の高歯

をはき、「いざや歌わんかな我等が歌を」と声高らかに歌う姿は

まさしく、<我等が青春ここにありき>である。


彼らはオールドボーイであろうと胸のうちは青春真っ盛りの男子な

のである。幸せな学生たち。寮生はバンカラのファッションも生ん

でいる。うわべの世の中を軽蔑し、内面の充実を求める若者らしい

心意気であった。


 若き日、ドイツ語で良く歌を歌っていた。歌い出しの掛け声を

一・二・三とは言わない。初めはわからなかったがドイツ語で合図

をとっているのである。

1→アイン(eins) 2→ツヴァイ(zwei) 3→ドライ(drei)

要するにアイン・ツヴァイ・ドライ といって、歌いだす。

寮生はバンカラのファッションも生んでいる。うわべの世の中を軽

蔑し、内面の充実を求める若者らしい心意気であった。


 
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寮歌は寮生たちが作詞、作曲をしている。一高の寮歌にしても何百

とあるという。寮歌は高校の文化であり、命そのものであった。


世界でも珍しい寮歌の精神はどうして生まれたのであろうか?

物の本で読んだのだが、アメリカが恐れたのはこの旧制高校であっ

たと書いてあった。


リダーを育成するこの高校制度を廃止したこと、PTAを作り保護者

を学校に参加させたこと、道徳教育が無くなったことなど、確かに

これらの戦後の教育制度はどこかが間違っていたようである。


50年経つとおかしな社会現象が多く起こっている。文部省は教育制

度を変革しようと思っているのであろうか?


心に太陽を持て、唇に歌を持てと教えられたが、物の無い貧しい

時代に生まれ育った自分を却って幸せだと思っている。


 自立と自由な個性を尊ぶ精神は寮生たちを鼓舞させ、世界にも類

のない寮歌の文化を生んだ。

また、苦楽を共有することで友情も固い絆となって結ばれた。

やがては国を動かす志をも自然に植えつけた。
by bara_gallery | 2009-07-13 13:34 | 青春の寮歌
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